M&V(Measurement & Verification:測定・検証)は、対策によるエネルギー削減量を定量化し、裏付けるための手順です。削減量は直接測定できないため、ベースライン時に想定される消費量と、対策後の実際の消費量との差として算出します。
IPMVPとオプションA~D
広く認められている枠組みがIPMVP(International Performance Measurement and Verification Protocol)です。IPMVPには4つのオプションがあります。AとBは、対策を実施した設備やシステムのみを対象とします(Aは主要パラメータを測定し、Bはすべてを測定します)。Cは主要メーターにより工場全体を対象とし、Dは校正済みシミュレーションを用います。組織のエネルギーパフォーマンスの測定・検証の原則は、規格ISO 50015に概括的にまとめられています。
製造現場での例
ある工場が照明をLEDに交換し、どれだけ削減できたかを知りたいとします。ここでは、現在の生産量と気象条件に合わせて補正したベースライン(EnB)を設定し、そこから実際の消費量を差し引きます。工場全体に影響する対策にはオプションC、単独の設備にはAまたはBが適しています。この差が検証済みの削減量であり、金額に換算できます。
なぜ重要なのか
M&Vがなければ、削減量は設計資料に基づく推定にとどまり、実際とは異なることが少なくありません。裏付けのある削減量は、次の投資を後押しし、監査やISO 50001にとって重要な根拠となります。累積偏差の追跡(CUSUM)により、削減効果が継続して維持されているかどうかが分かります。
よくある質問
削減量を直接測定できますか?
できません。削減量とは消費しなかった分であり、測定することはできません。ベースライン時に想定される消費量(現在の条件に合わせて調整したもの)と、実際の消費量との差として算出します。
IPMVPのどのオプションを選べばよいですか?
対策の内容と測定の条件によります。1つの設備に対する対策にはAまたはB、工場全体に影響する対策にはCが適しています。選択の基準は、何を確実に測定できるかです。